もしも明日という未来があるのなら


「あのね、お母さん・・・」

ソファに腰かけて意を決して口を開く。

「なあに?」

「ずっと思ってたの。私、病気になったせいでお金かかるし、お母さんたち大変だよね?迷惑いっぱいかかるよね?」

治療費、入院費、薬代、他にもいろいろ。

「なのに何も返すことが出来ないまま死んじゃうかも。」

「何言ってんの、柚月は死なないよ・・・」

「自分のことは自分が一番わかってるつもりだよ。」

「柚月・・・」

「成人した姿見せるのも、一緒にお酒飲むのも出来ない。みんなみたいにスポーツしたり騒ぎまくったりも出来ない。親より先に死んでしまうんだよ、私。」

私はぎゅっとこぶしを握る。

「私には・・・私にはみんなのあたりまえとか普通がない・・・」

どう頑張ったって足掻いたって変わらない現実。

「お母さんさ、私を生んで後悔してない・・・?」

もし私がいなかったらもっと違う生き方をしていたのかもって。

「え、?」

何度も考えて泣きたくなった夜。

怖かった。

迷惑な子になるのが。

「私が生まれなかったらお母さんはもっと幸せだった!」

「柚月っ!!」

お母さんの声がリビングに響く。

「バカね、そんなわけないでしょ?」

お母さんは懐かしそうに話しだす。

「柚月がね、病気って分かったとき、お母さんは後悔したよ?」

え、やっぱり後悔してたの・・・?

「どうしてちゃんと健康に生んであげられなかったんだろうって。」

「あ・・・」

私が病気になったせいでやっぱりお母さんは悩んでたんだ。

私のせいで・・・

心がぎゅっと痛くなる。