もしも明日という未来があるのなら

ふいに目を覚ますとそこは帰ってきた時と変わらない私の部屋だった。

私、寝ちゃってたのか・・・

枕元のスイッチをつけるとオレンジの電気がついてベッドを囲む。

時計を見ると夜中の一時を過ぎていた。

何か飲もうと一回に降りてびっくりした。

もう寝たと思っていたお母さんがいて熱心に分厚い本を読んでいたからだ。

「あれ、柚月、まだ起きてたのー?まったく。」

「お母さん・・・何してるの?」

「あー、ちょっと本読んでて。」

今読んでる本の横にも何冊か積み上げられていて、そばにはパソコンや散らばった資料、飲みかけのコーヒーなどもあった。

「もう遅いんだから早く寝たほうがいいよ。」

私はお母さんの言うことに反応せず、そのまま近寄る。

紙を一枚手に取って見てみると、心臓病のことがいろいろ書いてあり、そこにはたくさんの書き込みもしてある。

これ、わたしのために・・・?

お母さんはこんなにも私のことを思ってくれてるのに私、病気になっちゃった。

お母さんになんにもできてない・・・

じんわりと涙が浮かぶ。

「お母さん・・・」

私が顔を上げると、お母さんは困ったように笑っていた。

「調べたって何も変わらないのに。毎日仕事で忙しいのに寝る時間まで削ってなんでことまでするの・・・?」

「そうだよね、私ったらバカだよね。ごめん、柚月。」

お母さんが悲しそうに笑った。

なんでお母さんはこんなにも私のためにしてくれるの?

「お母さん、ごめん・・・」

お母さんがびっくりしたように私を見る。

「私、病気なっちゃってさ、5年も生きれないかもしれなくてさ」

言いながら心が苦しくなる。

「親孝行も出来ないし、迷惑かけてばかりだし、本当にごめなさい・・・」

「柚月・・・」

お母さんがふんわりと笑う。

「柚月が生まれてここまで大きく育ってくれたことが何よりも嬉しいんだよ。」

「・・・」

そういってくれるけど、どうしても確かめたいことがある。

物心ついた時からずっと聞きたかったこと。

言おうかどうしようか迷う。

「だからさ、柚月の想いちゃんと受け止めたいから。ね?」

「うん。」

向き合わないと。

病気にもお母さんとも。

言おう。私の今の思いを、全部。