もしも明日という未来があるのなら

「うわー、すごい。」

私は屋上に着いたとたん一目でこの場所を気に入った。

鉄の重たい扉を開けた先に広がっていたのは青い青い空。

病院の屋上はウッドデッキになっていて、等間隔に花が植えられていた。

置いてあるベンチの上には木の屋根が合ってちゃんと木陰になっている。

白い柵の向こうには町が広がっていてさらに向こうには海と山が見えた。

その景色をしばらくながめてから私たちはベンチに腰を下ろす。

そよそよと吹く風が心地いい。

「すごいでしょ、ここ。部屋からの景色も綺麗なんだけど、やっぱここが一番だなー。来るたびに思う。」

りっちゃんのポニーテールがに吹かれて揺れる。

「うん、この町ってこんなに綺麗だったんだね・・・」

景色ひとつで人の心を動かせる。

世の中にはまだまだ知らないことがあるんだね。

もっと、きれいな景色をたくさん見たい。

もっと、素敵な時間を大切な人と過ごしたい。

私、まだまだやりたいことが、いっぱいある。

「よし、スイカ、食べよっか。」

この景色と一緒に食べたらどれほどおいしいか。

「うん!んー、おいしっ。」

りっちゃんが幸せそうに笑う。

「ほんとだ、あまっ!!」

私もスイカをほおばって笑う。

こうやってりっちゃんと笑ってスイカを食べることも私の幸せ。

5年後、私はこうやってりっちゃんと笑いあうことが出来るのかな。