もしも明日という未来があるのなら

<野村 柚月side>

ガラガラガラ

保健室の扉が完全に閉まった音がしてから私はベッドからそっと起き上がった。

「病院側にはもう連絡してあるから、行こう。」

保健室の先生が車のキーとバッグを手にサッとカーテンを開けた。

コクン、と私はうなずいて立ち上がる。

足に力が入らなくてこけそうになる。

足が、手が震えていた。

恐怖が心を埋め尽くしてしまいそうで怖くて。

この夏の暑さとか反対に冷たくなった指先。

この幸せな日々がなくなる。

そう考えると震えが止まらない。

「柚月ちゃん、大丈夫?」

先生の焦ったような顔が目の前にあった。

先生は私の肩に空いている方の手をのせた。

なんだか安心感があって少しだけ落ち着いた。

それでもまだ震えながら車で病院に向かった。