もしも明日という未来があるのなら

ガラガラガラ

松本がドアを開けて保健室に入る。

「こんにちは、どうしたの?」

保健室の先生が奥から出てきた。

さっぱりしていて、でもしっかりしているので人気で信頼ができる先生だ。

「こんにちは。柚月いますか?」

「あー、野村さん?今、寝てるよ。後の方がいいかなぁ。」

「え、寝てるのか。」

「そんなに悲痛はため息つかなくても。」

松本が小さく笑う。

俺は知らぬ間にはぁぁとため息とついていたらしい。

「柚月、風邪ですか?」

松本が丸椅子に荷物を降ろしながら聞く。

俺はちらりとカーテンの閉まっているベットの方を見る。

「うん、まぁ、そういうとこだと思うよ。」

先生は何やら忙しいみたいで曖昧な返事をしながらパソコンに向かったいた。

「じゃ、あとでまた来ます。」

「あー、はいはーい。」

そう言って出て行こうとする松本に先生が返事する。

俺も一緒に出そうになってあわてて手に持ってたスクバを先生に渡す。

「一応、荷物持ってきたんですけど。」

「あ、水筒とかお弁当とかあるから助かるよ、ありがとう。」

「じゃあ、まだで。」

そう言って二人で保健室を出た。

野村、風邪大丈夫かな。

あとで野村に会えるかな。

会いたいな。

俺はずっと野村のことを考えていた。

野村が実は起きていたなんて思いもせず。