海月は私が本音を言える数少ない友達の一人だ。

ぽつりと私はつぶやく。

「水村のことが気になってるんだよねー。」

海月がぽかんとした。

「あ、恋愛的な意味じゃないから。何だろう人間として?生き物として?」

私はあわてて言う。

特に変なこと言ってないからあわてる必要ないんだけど。

「びっくりした。好きな人できた?って聞いたの私だけどさ、まさかほんとにできたなんて。いやでも、」

「ちょ、まってまって、好きな人って誤解だから。」

「水村?!あいつはおすすめできないわ、」

「だーかーらー、人間的興味!恋愛ゼロ!」

「え?まあいいや。水村っていつもクールで冷たいじゃん。どこが気になるのよあんなやつ。」

「ひどいねえ海月。あれでもモテるらしいじゃん。」

「ほんとね。どこがいいのやら。」

「顔?」

「柚月ああいう王道系イケメンが好きなんだ。」

「別に綺麗な顔してるなあとは思うよ。海月もイケメン認めてるし。」

「あ。」

悪態ついていたのに、と悔しそうな顔をする海月にふふと私は笑みを漏らす。

「てかなにー?普通に仲良くなりたいの?」

海月はカフェオレを飲みながら言う。

「仲良くなりたいわけじゃないんだけどね。」

「そうなの?まあ何でもいいや、私がいるじゃん?」

海月がかわいくウィンクする。

「海月すきーー。ありがとう友よーー。」

「でもさー、うん、なんか柚月が水村ね、うん、いいんじゃない?」

「え、だから恋愛じゃないんだってば。」

「あー、はいはい分かった分かった。」

「んもー、!違うってー!」

けらけらと海月が笑うからつられて私も笑っていた。