二日後。

英語の授業中のこと。

「次は単語の練習ね。隣の人とペアになって。」

隣は松本だからよかった。

他の女子だとうるさい人多いし。

「始める?水村からどーぞ。」

俺は言われた日本語を英語に訳していく。

カタン

後ろで野村が立ち上がった。

どうしたのか、と俺は振り向く。

野村の表情は青ざめていた。

「ちょっ、柚月!?」

顔色の悪さに松本があわてて近くによる。

野村は弱々しくほほえんで松本先生に何か伝えて教室を出る。

「あー、早く気づいてあげればよかった。」

松本が嘆く。

「え?」

「風邪ひいてたみたいだったし。」

風邪か・・・

「そういえばこの間言ってたな。」

月曜日の朝、マスク姿で登校してきたんだっけ。

「ずっとなんか元気なかったし。」

それは、俺もうすうす感じていたことだ。

大丈夫なんだろうか。

野村が学校に来ないとなんだかつまらない。

俺は・・・

俺は、野村のことが

結構前から好きかもしれない。