次の日の月曜日。

じりじりと焦げるような暑さに体力的にも精神的にも限界だ。

おまけに汗で前髪がぺたりと張り付く。

うっとうしくて仕方がない。

「おはよ。」

そう声がして振り返れば見慣れた顔があった。

水村だ。

「マスクなんてめずらしい。」

「あ、うん。おはよ。季節外れの風邪かな?」

そう言ってえへへ、と笑う。

「・・・大丈夫か?」

心配してくれているのか、少しだけ眉根を寄せる水村。

そんな顔してないで笑っててほしいのに。

水村の笑った顔、結構好きだし。

「野村?」

「へ?あ、大丈夫だよー、すぐ直る!」

「ならいいけど。」

そうやって話しかけてくれるだけでもドキドキする。

でも、

私は好きになっちゃいけないんだよね。

好きになったら私も苦しいし

水村も苦しめることになるから。

だって水村、ほんとは優しいもんね・・・?

だからお互いに辛いだけの恋なんて

したくないんだ・・・