「ぜぇっ...はぁっ....」

「はぁっ..お...俺の.....か..勝ちだから..な..」

「いや...はぁっ..俺...だ...」

それから10分ほどで水村と蒼木が帰ってきた。

そのまま砂浜にぐたっと倒れ込む。

そんな二人を見て私は一人、ケタケタと笑う。

「ははっ、二人ともめっちゃ息切れてるじゃん。」

どんだけ勝ちたかったんだろ。

「はい、ふたりとも。」

海月がペットボトルのお茶を渡して二人は息を吹き返す。

そして私たちが作ったお城を発見した。

「なにこれ、すげぇ!」

水村が感嘆の声を上げる。

「ど、どうやって作ったの?」

とっても自慢の作品を褒められて私は気分が上がる。

だって二人で一生懸命作ったお城なんだもん。

三角の屋根と丁寧なデザイン。

本当にお姫様が住んでいそう。

世界で一番素敵なんじゃないのって思う。

海に私が来たって言う爪痕を少しだけでも、と思ってね。

いつか波に流されてしまうのだろうけどね。

またそれがいいのかもね・・・