それから日にちは飛ぶように過ぎてゆき、あっと言う間に日曜日になっていた。

リュックサックにタオルやらお弁当やらをつめて俺は家を出る。

帽子を持って来ればよかった、脳天が暑い。

自転車に乗っていてもあまり風を感じられず、夏を感じる。

まあ、海に入るならちょうどいいかな・・・

最寄りの駅の駐輪場に自転車を止めて電車に乗る。

20分ほどで集合の駅に着く。

改札を出ると野村の姿が見えた。

麦藁帽に白のワンピースにジーンズ生地のサンダルと夏っぽい姿。

それはとても野村に似合っていて、少しだけドキッとする。

「おそいよ、水村早く行こっ!」

野村がパッと笑顔になって俺の手を引く。

「おそいって10分前じゃねーか。」

「いいじゃないの。」

振り返って楽しそうに言う野村。

肩までの髪がさらりと動く。

思わずだまって見とれてしまった。