柚月は朝からうきうきしていた。

去年までは月曜日は嫌いだったが、高2に上がると、月曜日の一時間目が英語になり月曜日の朝が苦にならなくなった。

英語は柚月の大の得意科目だからである。

「はい、まずはじめに課題提出ね。ノート回収してー。」

柚月は英語も好きだけど、担当の松本先生も好きだ。

松本先生は今年大学を出た新米先生。

でも、教え方がうまく生徒に大人気である。

そして松本先生は親友の海月の姉でもある。

列の一番後ろだった水村にノートを渡す。

「あ、待って。間違えた。」

英語と現代文のノートを間違えた。

水村がめんどくさ、という顔をする。

水村って面倒臭いと思ったことがすぐ顔に出る。

まあ、ノート間違えた私が悪いけど。

心狭すぎやしないか?

はぁ、と小さくため息をつく。

この前のこと怒ってんのかな?

いやでも怒ってない、いつもこんな感じと言っていた。

あまり周りに目を向けて来なかったから

今まで知らなかったけど

どうやらこの前病院で出会った水村冬馬は

同じクラスで一部の女子に人気なのだそう。

人生イージーモードみたいな顔と態度で

何でいつも不機嫌そうで面倒臭そうなんだろう。

単純に嫌っているのかな、授業、学校、人間。