もしも明日という未来があるのなら

週末。

「冬真ー。あんたいつまで寝てんの?」

ガチャ

ノックもせず母さんが部屋に入ってくる。

「人の部屋に勝手に入らないでいただけます?」

満面の笑みを浮かべる。

「はいはいはいはい。でさ、」

「なんだよ。」

眠い。

俺はふとんを首までひっぱりあげる。

「悠馬がまたお弁当忘れて行ったから届けてきて。」

その一言で俺は目が覚める。

「はっ!?今から!?この間も忘れてたじゃん・・・」

兄ちゃん、アホだろ・・・

せっかくの俺の休日が。

テンションだだ下がりになりながらも

しかたなく届けに病院に行った。

もう何度も来ていて病人じゃないのに慣れてしまった病院。

何気なく中に入りナースステーションに向かう途中、

見たことのある後ろ姿が目に入った。

ん?あれって、野村・・・?

「あー、冬真君!またお弁当?」

後ろから声をかけられて振り向くと上原さんがいた。

「あ、上原さん。そうなんですよ。兄ちゃん今大丈夫ですか?」

「悠真君か、ちょっと待ってね。」

そう言って奥のパソコンで確認する。

「あー、今ちょっと難しそうだから渡しておくね。」

「分かりました。お願いします。」

上原さんにお弁当を渡して外に出る。

その瞬間、夏の暑さが俺を襲う。

あつっ。とたんにのどが渇く。

病院の中に自販機あったよな・・・買ってこよ。

くるりと方向転換して病院に戻る。

ガコン、と音を立てて冷えたお茶が出てくる。