もしも明日という未来があるのなら

<水村 冬真side>

「あれ、水村じゃん。」

「蒼木。」

校門を出て帰ろうとしたとき声をかけられた。

蒼木 陸、同じクラスの学級委員。

明るくて、人気者で、気さく。

野村はなんか用事があると職員室へ行った。

待とうと思ったけど、どうやら親が迎えにくるらしい。

心配だったからよかったけど。

「部活終わり?」

「そ。大変だよー。」

そう言って蒼木はくしゃっと笑った。

そういえば蒼木が所属するバスケ部厳しいので有名だっけ。

俺がいるサッカー部も厳しいけどバスケ部ほどじゃない。

俺たちはそのまま駅の方面に歩き出す。

「水村は?」

「忘れ物。先輩たちの強化週間で俺たちは休みでさ。」

「へぇ。水村が忘れ物だなんて意外。」

「へ?なんで?」

「なんか完璧なイメージがあったから。」

完璧か・・・俺は全然完璧じゃない。

むしろその逆で小さなことで悩みまくりだ。

「蒼木は・・・明るいよなぁ。」

「はは、たしかに。でも恋になるとうじうじだよ?」

うじうじって自分で言うあたり蒼木らしい。

恋愛ねぇ。

ふっと野村の顔が脳をよぎる。

「俺ね、ずっと菜緒が好きでさ、」

「なお?」

「幼馴染の彩葉菜緒。」

「あー、あの美人な。」

クラスメイトが騒いでたから知ってる。

めちゃくちゃクールな美人さん。

「そうそう。中学の時告白したけどフラれちゃった。」

フラれたことをこんなに軽く明るくためらいもなく話す蒼木。

メンタル強ぇ。

驚きすぎて、うんしか言えない。

「まだチャンスあるかなって思ってたけど倉橋と仲良いみたいだし」

倉橋って同じサッカー部の友達だ。

サッカーがめちゃくちゃうまいやつだ。

ははっと蒼木が笑う。

「今はいねーの?」

あまり人のことを興味本位で探りたくはないけど、

なぜか少し気になった。