もしも明日という未来があるのなら

入院1日目は隣の個室にりっちゃんがいて少しだけ気持ちが和らいだ。

隣だ、と喜ぶ私に対してりっちゃんは

「前は二人部屋だったのにね」

と微笑みながらポツリと言った。

私はその言葉に一瞬目を見開いた。

もう、個室の必要性がどちらにもあって、それは互いの死を意味していた。

だんだん残されいる時間が少なくなっているんだよ、と言われている気がした。

「ねえ、ゆず、見てみてー」

空気を変えるように明るい声を出したりっちゃんは

ベッドの横の茶色い引き出しの1番上を開けてごちゃごちゃと物をベッドの上に並べた。

「最近チェキを撮るのにハマっててね」

そう言って見せてくれたチェキには小児病棟の子供達やおじいちゃんおばあちゃん、

なっちゃん先生とのチェキもあった。

今まで見たことのないりっちゃんと歳が近そうな女の子もいる。

私がそのチェキを手に取ってみていると嬉しそうな顔をして、

「その子ね、最近きたの、同い年でさー、何かと話も合うんだよね」

と嬉しそうな顔をした。

なんでだろう、胸の奥がツキツキする。

りっちゃんのこと同志のように思ってて、妹みたいに大好きだったけどなあ

そりゃ同級生の方が話合うよねえ、と思いながら

「そっか、」

とチェキを布団の上に戻した。

「そうだ、マフラーも作ってるんだよ」

そう言って真っ白の、ふわふわの編みかけのマフラーも取り出して見せた。

「すごいね、編み物できるんだ」

「3個隣の部屋のおばあちゃんに教えてもらったの」

その調子でひとつずつ紹介して、丁寧に棚に戻した。