<野村 柚月side>
一週間後。

「それではテストを返します。」

定期テストの返却の日がやってきた。

国語・古典、数学、生物基礎、物理基礎、世界史、どれも平均点あたり。

でも、英語はいい点数がとりたい。結構頑張ったほうだから。

松本先生が解説と平均点の書かれた冊子を配る。

さっきまで騒がしかった教室がいっきに緊張感に包まれしん、とする。

「出席番号順ね。蒼木くん。」

みんな様々な表情をする。喜ぶ、残念がる、ヤバいと連呼する。

私もいい点数でありますようにと願いながらそっとテスト受け取った。

「野村さん、よく頑張りましたね」

松本先生がにこっと笑う。

そういわれてテストを見るとそこには3ケタの数字が並んでいた。

小学校以来見ていなかった数字が野村 柚月の文字の横に書いてある。

「えっ・・・」

穴が空きそうなほど答案を見つめた。

うわぁぁぁ!

すごい、すごーい!

パァァと未来が明るくなった気がした。