水曜日。
「ちょっといいかい、蒼木くん。」
「ん?どしたの?」
授業が終わってすぐ蒼木の手を引っ張って歩き出す。
蒼木も水村と同じでかっこいいから人気だし
気さくで誰とでも仲いいから
女子の目がちょっと痛いけど許してもらおう。
そのまま屋上に通じる非常階段まで来る。
「で、どうしたの?こんなとこまで来て、告白?」
にかっと笑う蒼木に軽くグーでパンチする。
「痛いよ、ひどいよ、野村ちゃん。」
「っていいながら痛そうじゃない。」
「まぁバスケで鍛えてますからね。てか、野村ちゃんの好きな人くらい知ってるから告白じゃないことくらい分かるよ、どしたの?」
え、まって、今さらっとなんかすごいこと言った。
野村ちゃんの好きな人くらい知ってるから?
え、蒼木に言ったっけ?
いや、言ってない。海月に言ったかすらあやふやなのに。
「えぇぇっ、なんでっ?!」
「すごい時間差だね。」
目を白黒させる私と苦笑する蒼木。
「てか、別に好きじゃないし!」
せめてもの抵抗、と否定してみる。
「そう?ま、いいけどね。」
あ、まったく効果なかったみたい。
「蒼木だって、海月のこと好きなくせにー。」
むぅ、と小さく呟くと今度は蒼木が慌てふためく。
「え?え、まって、嘘。」
少し顔を赤くして片手で顔を半分覆う。
どうやら私にはバレていないと思っていたみたい。
「野村ちゃんにバレてるとか、なんなの・・・」
はぁぁとため息をつく蒼木。
「あ、海月は気づいてないと思うよ?自分のことには鈍感だからね。」
「あー、俺のことはもういいよ。それで、どうしたの?」

