もしも明日という未来があるのなら


ガラガラガラ。

ドアが開く音がして足音が近づいてくる。

「柚月、」

背を向けているから姿は見えないけど、お母さんの声。

「着替えとか必要なもの、ここ置いとくよ?」

「・・・うん。」

「それからさ、カーテン開けたら?天気いいよ。」

「いい。開けないで。」

「柚月、」

「何?」

「朝ご飯、全然食べなかったんだって?」

「だから?」

「柚月、」

「ほっといてよっ!」

バサッと私はふとんをさらに深くまでかぶる。

お母さんが部屋を出ていく音がしてからしばらくたってそっと顔を出す。

水村と水族館に行き、さよならを告げたあの夜。

家で発作を起こした私は入院となった。

ふとんの中であの夜のことをぐるぐると考えてる。

外なんて見たくない。

ご飯も食べたくない。

何も、何も、やる気が起きない。

心にぽっかり穴が空いたみたい。

水村の傷ついた表情が頭から離れない。

お母さんだって来てくれたのにやつあたり。

私ってなんでこんなに悪い子なんだろう・・・

自己嫌悪するくらいなら最初から優しく接すればって

頭ではわかってるけど、心がついていかないっていうか。

はぁぁ、とため息を一つ、またじわりと熱くなる目頭。