「はぁーー、行こっか。」

ひとしきり笑い終えてから私と水村は電車に乗る。

土曜日なのに意外と人が多い。

「大丈夫?」

ドア付近で守るように立ってくれる水村にちょっときゅん。

「うん、なんとか。」

「お前、背ちっちゃいもんなぁ。」

「はぁぁ?!」

さっきのきゅん訂正。

いらっの間違いだったみたい。

水村が高すぎるんだよ。

余裕で180cmとかもう信じらんない。

「でもさー、」

「うん?」

「野村って私服だと案外大人っぽいのな。」

「・・・え。」

大人っぽいって・・・!

これは褒められたんだよね?

「普通に可愛いかった。」

片手で口元を隠すように言う水村。

でも耳が赤くなってる、照れてるんだ。

ふふ、と笑みがこぼれる。

めちゃくちゃ嬉しい。

「・・・可愛すぎか。」

「え?なんて?」

「なんでもない。」

「そ?あ、水村も相変わらずかっこいいことで。」

「ははっ、そんなことないけど。」

「あ、水村ってもしかして自覚ないタイプ?」

「いや、それお前な?」

「え、何の話?」

「え、何の話してんの?」

お互いに分からなくなって私たちはくすくすと笑う。

なんか水村とのこういう雰囲気、好きだなぁ。