待ちに待った水族館デートの日。

私が勝手にデートって思ってるだけだけど。

朝の7時、クローゼットの前で悩む。

いつも通りがいいかな?

でもやっぱり可愛いって思ってもらいたいし?

悩みに悩んだ結果選んだのは白のワンピース。

上からベージュのベストを合わせる。

髪もウェーブに巻いて、オイルを馴染ませて

オレンジメイクをしてリップも塗った。

はぁぁ、と息をついて鏡をのぞく。

こんな感じで大丈夫かな。

心配、緊張、色々な感情が溢れだしそう。

今日が最後って考えたら辛いけど、

まずは楽しまないとだよね。

「あー、どうしよ。」

家にひとりでいるのが耐えきれなくなって待ち合わせの30分前なのに駅に来てしまった。

10時までまだあるなぁなんて思ってふと顔を上げると。

水村がもう、来ていた。

白のハイネックに深緑のスウェットに白のパンツスタイル。

おしゃれすぎるめちゃくちゃかっこいい。

どんな系統でも似合うじゃん。

顔もかっこいいものだから通り過ぎる人がちらちらと見てる。

本人はスマホ見てて気づいてないけど。

2度目の水村の私服。

いつも制服だから見慣れない。

どうしよう、かっこいい。

これ、私なんかが隣にいちゃいけないんじゃないの。

声をかけるのをためらい、目を閉じて深呼吸。

スゥ、ハー、スゥ、ハー。

「すぅぅぅぅっ!?」

「くっくっく・・・」

「な、なんで目の前に水村がいるの!?えっ、さっきあっちに、え!?」

一人でパニくる私を見て爆笑する水村。

「あー、ほんと野村って・・・」

どれだけ笑うのよ、まったく。

こっちは水村見てドキドキしてたのに。