「なぁ野村。」
「何ー?」
「今週末って空いてる?」
今週末?予定なんかあったっけ。
あ、日曜日は病院。
定期健診行かないといけない、憂鬱。
土曜日は、なんにもない。
「土曜日なら空いてるよ。」
「あのさー、」
「うん?」
ちょっぴり耳を赤くしてなかなか言おうとしない水村。
「水族館、行かね?」
「水族館?」
お兄さんの悠真さんが研修医として働いてる病院の先輩から2枚チケットをもらったらしい。
でも悠真さんは行く人がいないらしく水村にくれたんだって。
「野村、好きそうだと思って。」
私が好きそうだから、誘ってくれたの?
嬉しすぎる・・・
「うん、大好き。行きたいっ!」
それに休みの日に水村に会えるなんて。
しかも2人って、なんかデートみたい。
前にクローバー探ししたけどあれはちょっと違ったし。
初めて水村と遊びに行く。
水村はそんな気まったくないんだろうけど。
水村が誘ってくれたことが嬉しすぎて頬が緩む。
「送ってくれてありがと。楽しみにしてるっ。」
「・・・俺も。」
水村も楽しみにしてくれてるんだ。
どうしよう、すごく幸せだ。
明後日にある小テストも、数学の課題も
日曜日の病院だってへっちゃらな気がしてきた。
それと同時に心に決める。
この日が最後。
水村とは全部、終わりにする___