もしも明日という未来があるのなら

帰り道はくだらない話をしたり、問題を出し合ったり。

「あ、私こっちだからまたね!」

海月といつも別れる駅の所まで来て私は手を振る。

「あー、野村。」

帰ろうと歩き出した私の腕をつかんだのは、水村。

「送ってく。」

「え?」

突然のことにぽかんとする。

たぶん、めちゃくちゃ間抜け面。

海月と蒼木はなぜかニヤニヤ。

「え、なんで?」

「暗いし、一応女子だし?」

「い、一応?ひどい水村。野村は傷つきました。」

むっと膨れると水村はほっぺたを手で押してくる。

「ほら、帰るよ」

そのまま手をひかれて駅の人ごみを抜ける。

慌てて海月たちに手を振ったらウインクされた。

大きくてちょっと冷たい水村の手。

海の時と合わせて二回目だけど、なんだか恥ずかしい。

「ねぇ、水村。」

「ん?何?」

「何?じゃないよ、手!」

あぁ、と呟いて水村はニヤリ。

「照れてんの?」

「なっ・・・!」

顔が熱くなるのが分かる。

「だって野村、迷子になりそー。」

「すぐ子ども扱いするじゃん!」

そんなやりとりをしてたらあっという間に家に着いた。

「ありがと、送ってくれて。」

道を戻っていく水村に玄関の前で手を振る。

水村は立ち止まってちらりとこちらを見た。

「んーん、俺が心配だっただけ。」

・・・へ?

ぽかんとしたまま思わずフリーズ。

今日はなぜか、水村にドキドキしてしまうみたい。