もしも明日という未来があるのなら


図書室に向かうと4人テーブルに水村と蒼木が座っていた。

こうして見ると二人はやっぱりかっこいい。

周りの女子チラチラ見てるし。

「なんか口にしたら急に恥ずかしくなる・・・」

はぁ、と小さく息をつく海月。

こんなに照れてる海月、今まで見たことない。

やっぱり恋してる女の子は可愛いなぁ。

蒼木が私たちに気が付いて手をぶんぶん降る。

私達も座ってテキストを開く。

先輩たちのひそひそとした声が聞こえてうって気分。

なんであんな子が、みたいなの言われてるのかなぁ。

「ねぇあの子めっちゃ可愛くない?」

「うわぁ松本さんって年下なのに大人っぽい・・・」

もちろん柚月にはそんな声が聞こえるわけなく。

海月は英語、私は数学の問題を解き始める。

「これってどういう意味?」

「ここは公式使って・・・」

聞いて、教えて、解いて。

最近今までにないくらい勉強している気がする。

ずっと勉強する意味なんてないと思ってたけど。

4人で過ごすこの時間がたまらなく大好きで、勉強頑張ろうって思える。

顔をあげると目の前では水村がカリカリとシャーペンを動かしている。

手、綺麗だなぁ。

肌もスベスベ。

まつげ、長いなぁ。

髪の毛もサラサラストレート。

テストも毎回トップ10入ってるし。

一年生でサッカー部のスタメン入りしてて。

ほんと、水村って欠点ないんじゃないの?

まじまじと見つめすぎたのか水村が顔をあげる。

・・・思いっきり目が合ってしまった。

ふっと笑う水村。

「・・・何?恥ずいんだけど?」

ハッとしてふるふると首を横に振る。

さっき海月と恋の話してたからかな。

なんか、私、変なの・・・

「あっ、こういう時こそ勉強に集中!」

「え、野村大丈夫?変なもんでも食ったか?」

ひどい言いようだけど、気を紛らわすのに勉強って思ったよりもいいのかも。

苦手な数学のテキストを開いて問題を解き始める私。

この時はまだ気づいていなかった。

この気持ちが日に日に大きくなっていることに。

もう、気になる存在なんかじゃ収まりきらないってこと。

そして、

この気持ちが後に私を苦しめることに。