もしも明日という未来があるのなら

「あー・・・」

困ったような悩んだような顔の海月。

「えぇい、しょうがない!蒼木、席頼んだよ。」

私達のかばんを蒼木に押し付けて海月は私の腕を引っ張ってずんずん進む。

「えっちょっと!?松本さーん、野村さーん!」

後ろで蒼木が叫んでるけどちょっと無理そう。

連れてこられたのは屋上。

みんな勉強してるのか人はいないみたい。

海月はフェンスにもたれてぺシャンと座る。

「ちゃんと言うつもりだったんだけど、タイミング逃しちゃってさー」

うん?何お話でしょうか。

「夏休み前にね、私蒼木に告白されたの。」

あ、そういえば居合わせたんだった。

「・・・ごめん、たまたま聞いちゃって、知っておりました。」

「そうだったの?じゃあ話は早いね。」

はぁぁと小さく息をつく海月。

「なんでだろ、断れなくってさ、蒼木の告白。考えとくって言ったっきりだったの。」

海月は基本的にイエスかノーかはっきりしてる方だから、保留なんてめずらしい・・・

それほど蒼木には何か感じるものがあったのかな。

「最近、私おかしいんだよ。さっきも蒼木が柚月にちょっかいかけてるの見ていやな気持になっちゃって。ごめん、柚月。」

え、それってさ・・・

「海月、蒼木のこと、好きなんじゃないの・・・?」

真っ赤な顔をした海月がたぶん、と小さくうなずいた。

「えっ、えー!!海月が恋!?」

なにこの嬉しい展開!

やきもち焼くなんてなんて可愛いの!

親友の恋なんてめちゃくちゃ応援したい。

「返事しないの?」

告白されてるんだよね?

「ほら、蒼木って色んな女子と仲良いからなんで私なのかいまいち分からなくて・・・それにまだ心の準備が必要っていうか・・・」

海月は私の肩をがしっとつかんで揺する。

「ねぇ柚月、どうしよう!?もう分かんないよー。」

海月をこんなに弱気にさせるなんて蒼木ってすごいかも。

「ほら、じゃあもっと蒼木と仲良くなろ?行くよ!」

今度は私は海月の手を引いて図書室に向かった。