もしも明日という未来があるのなら

「ねぇ、みんな大学受験とかどうする?」

ひとわらいしてから、蒼木が聞いた。

大学受験かぁ。

大学での自由な生活は憧れである。

私に残された時間は5年。

大学、行けるかなぁ。

最後の方は入院多いってなっちゃん先生言ってたし。

「海月、受験勉強どれぐらいしてる?」

「ほとんどしてない。予習復習ぐらい。」

「そっかー。」

「すでに始めてる人もいればまだ全然の人もいてよく分かんないや。」

「・・・にしても、数学難しすぎ。こんな長い公式覚えられないよ!」

数学滅びろの会作りたいくらい数学苦手。

「あー、私もそこ苦手だ。」

「あ、じゃあさ、こんどこのメンツで勉強会開かね?」

キラッと瞳を輝かせ蒼木が言う。

「勉強会?」

海月がパックのジュースを片手に聞き返す。

「そう、まず水村は数学めっちゃできるだろ?」

え、俺?と慌てる水村はとりあえずほっとく。

「松本は生物と物理だろ、野村は英語だろ、俺は日本史世界史できるから完璧じゃん!」

ほんとだ、各教科のエキスパート集まってるじゃん。

「いいね、その案のった!」

私は笑顔で右手を差し出して蒼木とがっちり握手をする。

「待て待て、柚月。現代文は?古典とかどーすんの?」

「あ。」

わ、忘れてた。

「そーいえば水村現代文の点数高くなかった?」

「いや、意外と低い。80点ぐらい。」

『充分高いわっ!』

海月と私と蒼木が同時に突っ込む。

だって平均50点後半なのに。

そういえば水村英語も高かったよね?

もしや、なんでもできる天才なのか、水村は。

ひとりで悶々と考えていると水村が口を開く。

「俺の兄ちゃん、意外と勉強得意だった気がする。」

「おぉ!」

「教えてもらえるか聞いてみようか?」

水村からこんなこと言うなんてめずらしいなぁ。

「よろしく頼んだよー」

と海月。

確かに、水村のお兄ちゃん、見てみたい!

「じゃ、今週の日曜日水村家でな!」

蒼木が笑顔で言う。

『りょーかい』ってはぁぁ!?俺んち!?」

「あたりまえでしょ、はい、ごちそーさま。」

海月がニマッと笑った。

今度は私と蒼木が笑い転げる番だった。


こんな楽しい時間がいつまでも続けばいいのにね。