「海月、おはよー!!」

「おはよ、柚月。」

夏の暑さがだいぶ落ち着いてきた9月後半。

私たちはもうすぐ定期テストがある。

「あー、テスト嫌だなぁ。」

難しすぎる数学の授業が終わり、私と海月はお弁当でエネルギーチャージ。

「でも大学受験にも関わってくるからやらないわけにはいかないもんね。」

めんどくさ、と海月がつぶやく。

「そんなこと言って海月、勉強できるでしょー?」

「たしかに、松本頭いいよなー。」

隣から話しかけてきたのは蒼木。

今日は水村たちと4人でお昼を食べていた。

「だよねー!!だって毎回10位以内に入ってるし!」

「いや、なんで野村がドヤ顔してるんだよ。」

「ほんとそれ。」

「え!海月まで!」

水村がふはっ、とふきだす。

「野村の間抜けな顔。見ててほんとあきねー。」

「は、腹立つ!!もーいいもん!」

「野村、子供かよ。」

いーよ、どーせ野村柚月は間抜けな子供ですよ!

やけ気味に卵焼きを口に頬り込む。

「うぐっ、ん~~!」

そのとたんにのどに詰まってあわててお茶を飲む。

そんな私を見て三人とも笑い転げる。

水村なんか笑い過ぎて手に持ってたサンドウィッチから具が今にも落ちそう。

購買のパン、人気で手に入る確率低いのに、落ちたらもったいないよ!