「でもね、悩んだ後に気づいたの。私が悩んでもしょうがないって。私は私が出来ることをして毎日笑おうって。」
「え・・・?」
「病気じゃなくたって、たとえば明日事故で死ぬかもしれない。事件に巻き込まれるかもしれない。だったら特別なことなんていらないから、毎日笑って過ごせたらいいなって。」
「お母さん・・・」
そんな風に思ってくれてたんだ。
知らなかった。
「柚月は明るくて優しくて私が救われることもあったの。」
そうだったの?
「柚月が私の幸せだから、そんなこと言わないで?」
私、バカだ。
なんで気づかなかったんだろう。
お母さんはちゃんと私のことを見て愛してくれてるんだ。
ぽろぽろと涙があふれ出す。
嬉しかった。
大切って言ってくれたことが。
みんなはこれから70年、80年生きていくだろうけど。
私は今を、これからの5年を70年、80年分精一杯生きて見せる。
やりたいこと、全部やろう。
「お母さん!」
「なあに?」
「私を生んでくれて、本当に本当にありがとう・・・!」
「柚月・・・私の方こそ、生まれてきてくれてありがとう。」
いつも、ごめんね。
それからいつもありがとう。
私、病気なんかに絶対に負けないから。
そのあとふたりで飲んだ真夜中のホットミルクは幸せの味がした。

