「よかったら少し話していかない?その、迷惑じゃなければ。今ひとりにしたらなんか危ない気がして」


見た目と喋り方のギャップが面白くて少し笑ってしまった。


「…ん?」


「あ、ごめんなさい。やっぱ人は見た目じゃないんだなーって思って」


「…?」


なんだかわからないような顔をして見せる彼。
その手を引いて一緒に隣に座らせた。


「話しましょ話しましょ」


少しあった警戒心がすぐに解かれた。


こうして初対面の人と話すなんて、人見知りの私にとっては想像しがたい出来事。

でも不思議と、この人なら大丈夫と思った。




「あのー、つかぬことをお聞きしますが、お年は?」


「俺?…27歳」


「あ、やっぱ同じだ。同じくらいかなーって思ったんです。でも私なんかより落ち着きがありますよね」


「そう?こっちに住んでるとそんなもんじゃない?東京とかはせっかちな人間になりそうで怖くて住めないし」


翔太郎も同じようなこと言ってたな〜。
東京での就職は一切考えなかったみたいだし。


「ま〜、結構揉まれながら生きてますよ」


「ってことは、君は東京に住んでるの?」


「仕事で今はね。色々あってお休みもらって、しばらくこっちに帰ってきたんです」


「色々…か。大変だね」