歩み進めていくと、見慣れない店や新築の家が建ち並んでいた。
前はこんな大きな変化にでさえ気づけないほど、心がボロボロだったんだな。



目に入った懐かしい公園。
ここで翔太郎含めて仲良い友達とよく遊んでいた。


自然と引き込まれるようにその公園に入っていく。
建物はあんなに変わったのに、この公園はあの時の記憶のままだ。


座ったベンチが少し軋む。
軋む音もしっかり耳に届くほど、長閑で静かだった。


私が座るベンチの端に、2羽のスズメが止まった。
チュンチュンと可愛らしい声を上げながら、ピョコピョコ弾けるように跳ねている。


「…二人は恋人?友達?」


スズメに声をかけるなんて、本当に疲れてるんだな。
そんな自分が少しおかしくなって、虚しくもなり、空気が漏れるように笑った。


空に飛んでいく2羽のスズメを見送り、無意識にため息がこぼれた。






「…大丈夫?なんか疲れた顔してる」





声を掛けてきたのは、見知らぬ男性だった。