「ゆな…俺も、会いたかった。ずっと見ていることしかできないのが悔しかった。でも、今、こうして触れられる。それが凄く嬉しい」
翔太郎の腕にぎゅっと力がこもるのがわかった。
でも、ずっとこうしているわけにもいかないんだ。
「ねぇ、翔太郎」
そっと彼の身体を離す。
別れが近づいてきたんだ。
「いるべき場所に、戻って?」
「…ゆな」
ずっと会いたかった翔太郎。
彼は亡くなってからも、そばで私を見守ってくれていた。
抜け殻だった私を救ってくれた。
でもね?翔太郎。
あなたがいるべき所は、ここじゃないよ…
彼を見つめていると、涙がじわっと溢れてきた。
自ら別れを告げることが、こんなにも残酷で、悔しくて、悲しいことなんだ。