お父さんの車で家族全員家に戻り、私は一人コンビニへ出掛けた。
無性に甘いものが食べたくて。
いつもは"新発売"の文字に見向きもしなかったけれど、たまには手を出してみるか、とトマトホイップが乗ったプリンというなんとも挑戦的なデザートを選んだ。
コンビニを出ると、ガラの悪そうな男4人がタバコをふかしながら座っていた。
こういう人が現れる時間帯か。
急いで帰ろう。
彼らの横を通り過ぎようとすると、わざとらしくタバコの煙を私の膝元に吹きかけてきた。
あー、絡まれる。
「姉ちゃんこんな時間に出歩いちゃダメっしょー」
いや、私れっきとした大人ですが。
「…」
「おいおい無視はダメだろー」
男が一人立ち上がり、肩に手を回してきた。
よくもまぁコンビニの前でこんなに堂々と。
私に恐怖心はなかった。
だって、東京のヤンキーと比べたらこんな田舎のそいつらなんて、ヤンキーかぶれのただのクズ。
東京のヤンキーの方がよほど怖い。
「お、動じないねー。俺そういう女嫌いじゃねぇわ」
態度では勝てても、こう力を入れられるとダメだ。
手を払おうとするも、ビクともしない。
それどころか更に力が込められる。
「…ゆなさんっ」
「!?」
嘘…なんでこんなところに。