「昨日ぶり…ですね」
わざと落ち着いてみせた。
慌てて走って来たなんて、恥ずかしい。
まさか今日もいるなんて思わなかった。
腕時計の時間を確認して、集合時間までまだ余裕があり、胸を撫で下ろした。
よかった、少し早めに家を出て。
「今日はどっか行くの?昨日と少し雰囲気違う」
昨日は家に帰るだけだったから、メイクもかなり薄かったし服も適当だった。
今考えると、もう少しちゃんとしておけばよかったと後悔。
「ちょっと友達と会うんで」
「そーなんだ、楽しみだね」
そう言えば、リョウさんは仕事は何しているんだろう。
昨日、平日のあの時間にここにいて、今日もいる…シフト制の仕事とかなのかな?
あれだけ話し込んだけど、そういう話題は出さなかったなぁ。
「リョウさん今日も休みなんですか?」
「ん?あぁ…そうだね」
ってことは、やっぱりシフト制の仕事かな。
リョウさんは私を詮索してこない。
私もズカズカ入るのは控えておこう。
そう思い、それ以上は何も聞かなかった。
「ここよく来るんですか?」
そう言いながら彼の隣に腰を下ろす。