「おかえりー日向ちゃん!」
今日は初バイトということで、おばさんがご飯を作ってくれるということで、お家に伺った。
もう夜の9時ごろだというのに、おばさんとおじさんまで食事を待ってくれていた。
「さぁ!食べましょう。日向ちゃんお疲れ様だったわね、どうだった?」
「うーん、なんか大人の仲間入りって感じで楽しかったです!頑張れそう!」
そう言うと、おじさんもおばさんも嬉しそうに微笑んでくれた。
「日向ちゃんももう高校生だもんねぇ。お母さんもお父さんもきっと喜んでるわ」
「そうだね。僕たちは娘が大人になっていっているようで、嬉しいような寂しいような気持ちだよ」
エヘヘと照れ隠しに笑う。本当に二人のことは第二の親のように思っているので、そう言われると嬉しい。
「あ、そうそう。明日からこの家に親戚のうちの子が来るのよ」
おばさんは思い出したように言う。
「そうなんですね。ずっとなんですか?」
「うん、おばさんの妹の子供なんだけどね。今度妹が転勤でで海外に行くことになったみたいで…。あ!日向ちゃんと同じで高校に通うみたいよ?」
「大変ですね…。よかったら明日一緒に高校まで行きましょうか?ここからだと学校までの道複雑だし」
少しでもおばさん達の役に立ちたいと、提案してみたが、おばさんは横に首を振った。
「せっかくなんだけど、急なことだし、3年生での編入だから、私も一緒に説明を受けに行かなきゃ行けなくて…明日はおばさんが連れて行くわ」
ありがとうね、といつもの優しい笑顔を向けてくれた。
おばさんの親戚の子だもん、きっと優しいいい子だよね。
また改めて友達になって、学校で困ってたら助けてあげよう。
そう心に決めた。