私は彼に勝つことが出来ない。

だから、かくれんぼを辞めた。

誘われても嘘をついてただ眺めてるだけ。

「何で遊ばないの?」

すぐに見つかった彼は公園のベンチに座る私の前に立つ。

「…体調が、優れないから」

「嘘だ。そんなの言い訳に過ぎない」

「どうでもいい、でしょ。…っ、カンちゃんには分かんないよ!!」

私は大声を出して走り去った。

惨めで仕方がない。

振り返ることすらも出来なかった。