かくれんぼ、かくれっこ。

「そういえばさ、2人は告白し合わないの?」

突然のマナミの発言にさっきから理解が追い付かない。

「え?」

「だってさ、2人はあの噂によると両想いじゃない?」

考えてみればそうだ。

「しないの?」

私とカンちゃんは互いを見る。

「ふ~ん…ヒナが言わないんだったら私が勘太くん、貰おっかな」

「それはダメ!!カンちゃんはあげない!!」

咄嗟のことで私はカンちゃんの腕に抱き着く。

見上げるとカンちゃんは頬を赤らめていた。

「だってさ、勘太くん。愛されてるね~」

マナミが茶化すように言う。

「茶化すな!」

それが今のカンちゃんにとっての精一杯の抗いなのだろう。

「分かりましたよー、邪魔者は先に帰りますよーっだ!」

マナミは最後まで茶化した。

「もう…」

少し呆れて言う。

「ヒナ」

「ん?どうかしました、勘太さん」

ふざけてないとカンちゃんの緊張がこっちまで伝わってきそうで怖い。

「ずっと小学校の頃から好きだった。皆で遊んでいたからとかじゃなくて、ヒナと一緒にいて、ヒナと遊んでいたからそのことが俺にはすごく嬉しくて」

どうしよう、耐えられない。

耐えれる気がしない。

「一緒にいたいほど大好きだから、俺と…付き合ってくれますか」

…泣きそう。

こんなにも嬉しいなんて。

「私も!一緒にいたいほど大好き!」

泣き顔を見られたくなくて、カンちゃんに抱き着く。

「…ずるいよ、カンちゃん」

「うん、ずるくてごめんね」

私は大好きな幼馴染と一緒にいてもいなくても、彼に勝つことなんてきっとできっこない。