「カンちゃん、みーつけた!」

自然と出てきた言葉。

気づいた時にはもう遅くて。

でも安心した。

だって君が…

「見つかったか、ヒナ」

嬉しそうに笑うから。

「見つかったのに笑ってるの?変なの!」

「変とか言うな!」

昔は同じくらいの背丈だったのに、隣に並んで改めて気づく。

そして、言わなきゃいけない言葉。

「カンちゃん」

返事をくれなくてもいい。

だから言わせてほしい。

「ごめんね」

一つ一つ、固くなった紐を解くように。

「昔、カンちゃんには分からないって言って私は逃げた。…本当は悔しかっただけなの、大好きな遊びで大好きなカンちゃんに負けることが。だから遊ぶのやめたの!やめれば負けなくて済むから、拗ねていただけなの」

私がそう言うと彼は

「知ってたよ、ヒナが負けず嫌いなことも拗ねていたことも。まあ、拗ねていたことはヒナのお母さんに聞いたんだけどね」

「え、そうなの?」

「うんこの前、今のヒナみたいに謝られた。だから実はあまり怒ってない!だけど言わせてほしい…」

「な、に?」

彼の真剣な声にドキッとする。

「すっっっっげえええ寂しかったんだからな!悲しくて笑い方すら忘れたんだからな!!」

大きな声で必死に伝える彼がどこか可笑しくて笑ってしまった。

だけど、私も

「私も寂しかったし悲しかった。笑い方も忘れてしまった」

どこまで私達は似ているのだろう。