マナミに言われた通り、少し前に行ったところに隠れる。

見つかりやすいようでいて、見つかりにくい場所。

いつもそこにヒナが隠れている。

ヒナは分かりやすいところにいるのになかなか見つからない。

でも、俺が隠れるといつも先に見つかる。

それは昔疑問に思った。

だからヒナに聞いたことがある。

「ヒナって隠れるの上手いよな!何かあるのか?」

「え?んー…強いて言うなら」

「言うなら?」

「『鬼の視界のギリギリを狙う』」

見ているようで見ていない場所。

どの方角を見ても見つからないように。

こんなにも心が弾むのはきっとあの時以来かもしれない。

しかも今回の鬼はヒナ。

あの時の続きがしたくて、楽しくて。

笑みがどうしようもなく零れる。