俺は昔住んでいた家に戻って来た。

学校から帰ると母さんと、母さんと同じくらいの人が話していた。

「ただいま母さん」

「あら、お帰り勘太」

「え!?勘太くん!?大きくなったわねえ」

「そんなことはないわ~、ただ図体が大きくなっただけで中身は変わらないもの」

母さんと話している人は昔の俺を知っているようだ。

「勘太覚えてないの?小学校の頃よく一緒にかくれんぼしてたじゃない。ヒナちゃんのお母さん」

ふ、と思い出される。

確かに面影があった。

「忘れても仕方ないわよ。あれからちょっと経っているから」

気を遣われてしまった。

俺はずっとその人を見ていた。

すると、その人は言った。

「あの時はごめんなさいね…」