よく、自問する。


なぜ小説を書くのか。


私は小説を書いていることを誰にも話していない。


家族にも。


友人にも。


自己満足なんて、人に押し付けたくないから。


理由を考えてみた。


楽しいから。


うんうん、確かに。


自分の気持ちを吐き出せるから。


それもある。


言えないことも言えるから。


当たっている。


だけど、私がいちばん納得している理由は、理想の自分を書けるから。


小さい頃、私は『ヒロイン』というものに憧れた。


テレビアニメのヒロインでも、ドラマのヒロインでも、何でもなりたかった。


でも、徐々に違和感を感じるようになった。


中学生になる頃には、痛いほどに分かっていた。


私は、決して物語のヒロインにはなれない、と。