朝の日差しがカーテンの
隙間から差し込む朝。
桜が散り始め、夏に向かおうとしている
季節。
小さな和菓子屋に暮らす
高校1年生の少女のお話。



チリリリリリリリリ

和香菜「,,,んー朝か,,,」
眠そうに目を擦りひとあくび
をしてから目覚ましを止める。
そして勢いよくカーテンを開ける
和香菜「んー!今日もいい天気」

時計の隣の写真を見ながら
和香菜は微笑む
和香菜「お母さん今日もすごくいい天気だよ」
和香菜のお母さんは和香菜を
産んだ時に亡くなってしまっていた。

和香菜「よし!いきますか!」
身支度をすましリビングに向かう。
和香菜「お父さんおはよ!」
お父さん「おお!今日は、一段と元気だな和香菜」
和香菜「まあね〜、、、そんな事より仕込み終わったの?まだなら手伝ってくよ?」
お父さん「あーあとは店に和菓子を並べるだけだから大丈夫だ。いつもありがとうな和香菜」
和香菜「私が好きでやってる事だし気にしない気にしない!」
お父さんが和香菜に微笑む
お父さん「本当にいつもありがとう」
少し寂しげな顔で下を向きながらボソッと父がこぼした言葉に
少し寂しさを感じた和香菜。

和香菜「よし!じゃあ!私は学校行こうかな!」
お父さん「朝ごはんは食べないのか?」
和香菜「今日日直だから早く行かなきゃなの」
お父さん「じゃあこの朝のあまりの和菓子でも持っていきなさい」
お父さんが和香菜に朝作りすぎた和菓子を
包んで渡す。
和香菜「ありがと!じゃあいってきまーす!」
元気よく家を飛び出す和香菜
家を出た瞬間お父さんの悲しげな
顔を、思い出し少しぼーっとしながら
さっき貰った和香菜の包を開ける。
和香菜「お!桜餅だ!」
1口食べる。
和香菜「んー!おいしい!」

私が産まれたのは4月27日
ちょうど今の季節位。

お母さんってどんな人だったんだろうと
うつむきながら桜餅を食べていると
誰かが桜餅を取った。
和香菜「あ、、、」
顔をあげると目の前には
綺麗な黒髪、、、そうまるで
あんこのような綺麗な髪色をした
男の子が私の和菓子を食べて
こっちを見ていた。
私が見惚れていると彼は言った。
「お茶はないの?」
和香菜「、、、え?」
あー思い出したこの人はクラスで
一際目立つグループの神田武尊。
武尊「和菓子にはお茶でしょ?」
微笑みながらそう言った
和香菜「持ってないよ」
少し照れながら答えてしまった。
武尊「残念」
クスッと笑いながら武尊が答える。
少し間が空いて武尊が口を開く。
武尊「和香菜ちゃんだよね?」
和香菜「,,,そう、だけど」
武尊「和香菜ちゃんは俺の事どう思う?第一印象?ってやつ」
和香菜「え?!そんな急に言われても」
顔を赤らめながら和香菜が答える
和香菜「,,,かっこいいんじゃない?少なくともほかの男子より全てにおいてスペックは高い方だと思うけど?」
少し疑問形になりながら和香菜が
武尊の問いに答える
武尊「ありがと、変な質問急にごめんね?」
少し寂しそうに武尊が言った。
和香菜「別に、、、でもなんで?」
和香菜が聞いた時にはもう
武尊はだいぶ先を歩いていた
和香菜「なんなの?!」
この意味がなんなんのか
私は分からなかった




これが彼との出会いーー