俺様社長の溺愛~大人の恋を指南して~

「…結愛!!」

傘をさしたスーツ姿の男が、結愛を見つけ出し、傘の中に入れた。

…雨なのか、はたまた、涙なのか。

ただわかるのは、結愛の目は、ウサギのように赤くなっていたことだった。

「…瑞樹さん」
「こんなに濡れて。ほら、これ羽織って」

瑞樹は、自分のスーツを結愛の肩にかけ、ボストンバッグを取ると、肩を抱いて、近くの駐車場に止めていた自分の車に、結愛を乗せると、自宅へと連れ帰った。

脱け殻のような結愛を、無理やりバスルームに連れていき、タオルを渡し、シャワーを浴びるよう促した。

…シャワーを終えた結愛は、おずおずと瑞樹の前に出た。

「…ありがとうございました」
「そこに座って。…これ飲んで」

温かい飲み物が体を芯から温めてくれる。

結愛の顔が、少しだけ和らいだ。

「一体今までどこにいたんだよ?ずっと心配してたんだぞ」

「…ごめんなさい…明日から、しっかり仕事には出ます。ご迷惑をお掛けしました」

結愛は深々と頭を下げた。

「良樹も、心配してる」
「ここにいることは」

「一応伝えてある。でも、来るなって伝えたよ」

その言葉にホッとする。

「何があったのか、聞いてもいいかな?」

瑞樹がどれだけ心配していたのか、携帯の履歴やメールの数を考えれば、一目瞭然だ。

結愛は、瑞樹に今までの事を全て話した。