光とは、小中高大学まで、ずっと一緒だった、親友で、私は光が大好きで、仕事でアメリカ行きが決まった時は、号泣した。

そんな光がもうずっと日本にいる。

しかも、私の二つ隣の部屋に引っ越してきたと言っていた。

大手企業に就職した光が、こんなに小さなアパートに越してきたのには驚いた。

私と光の給料の差を考えると、もっと綺麗で大きなマンションに住めるだろうに。

「家なんて、どこでもいいよ。どうせ、寝に帰るだけの部屋だし。それなら、結愛の傍にいたいなって思って」

と、言うことらしい。

「ところで、高級車に乗った男は誰?」

光の言葉に、パァッと明るい顔をした私は、良樹の事を全て話した。

「…へぇ。そうなんだ…いない間に、結愛に悪い虫がついたのか」

「…え?何か言った?光」

がさごそと、用事をしていた私は、光が言ったことがちゃんと聞こえていなかった。

「ん?いや、別に何も。仕事は順調?」
「うーん、…異動が多くて、大変だけど、なんとかやってるって感じかな」

…その夜、光と夜更けまで話し込んで、お酒も入っていたせいか、私は、いつの間にか眠っていた。

そんな私を、光は軽々とお姫様抱っこすると、ベッドに寝かせた。

私の頭を優しく撫でると、

「…結愛に、あの男が相応しいか、品定めしようかな」

そう言って、光は私の部屋を出ていった。

鍵をかけ、ポストに入れて、私にLINE。

鍵は、ポストに入れてあるから、と。