驚いた人の顔を見上げる。
目の前には平野さんがいて、しかも全身雨に打たれて、びしょ濡れの状態だった。


「どうしたの！？その格好は」


目を見張りながら彼に訊ねた。
平野さんは唇を噛むと悔しそうな表情をして、外で待ってたけど、彼が来ないんだ…と呟いた。


「しかも、何だかよく知らないけど、やたらと救急車が走り去って行くんだよ。それで、ネットのニュースを調べたら、この近くの交差点で事故があったようだと流れてきて、それに、もしかしたら、巻き込まれてる可能性もあると思って慌てて教えに入ってきた」


「えっ、この近くの交差点って……」


私と両親は真っ青になって言葉を失う。

つい一年前くらいに兄が命を落とした交差点が、この式場の近くにあり、もしかして、其処で何事かあったんだろうか…と思い愕然とした。



「まさか……」


不幸がまた！？と思うとフラつきそうだ。
だけど、私自身よりも母や広大さんのお母さんのことが心配になり、慌てて大丈夫かと見遣った。



「ああ、もう…」