肩を竦め、慌ててごめんなさい!と謝ろうとした。
だけど、桜庭さんは苦笑しながら続きを喋った。
「何で俺が…って反論も出来ないくらいに一人で盛り上がる賢也が、君に会ったら『俺から届けられた恋人だと言えばいい』とセリフまで決めて。
俺は唖然として言葉も出せないのに、『頼むぞ、兄弟』と言いながら肩をバシバシ叩くんだよ。
呆れてたけど、そんな賢也を見てたら、こっちもまあ君に会うくらいならいいか…と気持ちを軟化させられてね」
フッと微笑んで私を見つめる。おかげで私の心臓は、急に加速して動きだした。
「それで…此処に?」
「ああ。本当はもっと早く、出来れば葬儀にも参列したかったんだけど、残念ながら、社用で国外に出張していて帰れなくて」
訃報を聞いて電報だけは先に打ち、お参りは帰ってからゆっくり…と考えていたらしい。
「本当に申し訳なかった。ご自宅にもまた今度ゆっくり伺わせて頂くから」
「いえ、そんな、今のでもう十分…」
兄も喜んでいます、と伝えると初めて嬉しそうに笑った。
だけど、桜庭さんは苦笑しながら続きを喋った。
「何で俺が…って反論も出来ないくらいに一人で盛り上がる賢也が、君に会ったら『俺から届けられた恋人だと言えばいい』とセリフまで決めて。
俺は唖然として言葉も出せないのに、『頼むぞ、兄弟』と言いながら肩をバシバシ叩くんだよ。
呆れてたけど、そんな賢也を見てたら、こっちもまあ君に会うくらいならいいか…と気持ちを軟化させられてね」
フッと微笑んで私を見つめる。おかげで私の心臓は、急に加速して動きだした。
「それで…此処に?」
「ああ。本当はもっと早く、出来れば葬儀にも参列したかったんだけど、残念ながら、社用で国外に出張していて帰れなくて」
訃報を聞いて電報だけは先に打ち、お参りは帰ってからゆっくり…と考えていたらしい。
「本当に申し訳なかった。ご自宅にもまた今度ゆっくり伺わせて頂くから」
「いえ、そんな、今のでもう十分…」
兄も喜んでいます、と伝えると初めて嬉しそうに笑った。

