「どうしてもっと早く俺に君を紹介してくれなかったんだと思ったよ。そう思ったら悔しい気持ちが湧いてきて、賢也に一言文句を言いたくなった。それで避けてたお参りをして、あいつに言い渡しておこうと決めたんだ」
「…な、何を?」
ドギマギしながら彼が初めて家に来た日を思い出した。
あの時彼は、遺影の前で何かを真剣に考えてる風に拝んでた。
顔を上げると兄の遺影を見つめ、思いに耽ってるようにも見えた……。
じっと彼と目を見合わせる。
あの日に彼が考えてたことが知りたくて、無言で次の言葉を待った。
「賢也の遺言通り、君を大事にして守っていく…と言いたかった。金輪際、賢也が心配しなくてもいい様に、俺が奈央さんを幸せにするから、と言っておきたかった」
真面目な顔のままで言うもんだから言葉を失う。
兄の遺言がどんなものか分からず、「どういうこと?」と訊き返した。
「兄さんの遺言て何?私の恋人になれってこと?」
私に届けられた恋人だ、と最初の日に彼は言ってた。
その時は、夢か何かでも見てるのかと思って、ふざけるのも大概にして…と考えた。
「…な、何を?」
ドギマギしながら彼が初めて家に来た日を思い出した。
あの時彼は、遺影の前で何かを真剣に考えてる風に拝んでた。
顔を上げると兄の遺影を見つめ、思いに耽ってるようにも見えた……。
じっと彼と目を見合わせる。
あの日に彼が考えてたことが知りたくて、無言で次の言葉を待った。
「賢也の遺言通り、君を大事にして守っていく…と言いたかった。金輪際、賢也が心配しなくてもいい様に、俺が奈央さんを幸せにするから、と言っておきたかった」
真面目な顔のままで言うもんだから言葉を失う。
兄の遺言がどんなものか分からず、「どういうこと?」と訊き返した。
「兄さんの遺言て何?私の恋人になれってこと?」
私に届けられた恋人だ、と最初の日に彼は言ってた。
その時は、夢か何かでも見てるのかと思って、ふざけるのも大概にして…と考えた。

