君と永遠に続く恋をしよう

「でも、桜庭さんは兄さんが亡くなった後、何度も明日香さんの部屋を訪ねて世話をしてるんでしょうし、私が居るからと言って、いつもと違う態度を取らなくても良かったんじゃないですか！？」


「何処の世界に自分の彼女よりも他の女の方を優先する男がいるんだ」


「私、桜庭さんの彼女じゃありませんよ。それにそう思うなら、何故この間はあんな風にさっさと帰って行ったの！？」


不満をぶち撒けながら自分の心の狭さを思い知る。
これじゃ角川さんの言うように、明日香さんのことについて、彼に嫉妬をぶつけてるだけのようだ。


もう…と嫌になりながら髪の毛を握る。
どんなに口で否定してても、いつの間にか桜庭さんのことが好きになってるんだ…と実感した。


「私よりも彼女の方が大事だったんでしょ。体調も悪いし、恋人も亡くなって一人だし」


私にはなんだかんだ言っても家族がいる。
同じ痛みを分け合って話して、苦痛を和らげる相手がいる。


だけど、明日香さんは一人きりだ。
眠れないほど落ち込んでフラフラで、下手をすると自分の命も投げ出しそうな感じの人を、彼が優先するのは間違ってないと思うのに＿＿。