君と永遠に続く恋をしよう

来社理由を説明する彼の話をポカンとしたまま聞き取り、「そうですか」と一応納得はした。
けれど。


「あの…さっきのセリフは何ですか?」


来社理由よりもさっきの変な発言のことを思い出して訊ねると、桜庭さんはギクッとした感じで肩を上げ、照れ臭そうな顔をして目線を横に滑らせた。


「……あれは、君のお兄さんが、『そう言えばいい』と言ったんだ」


「ええっ!?兄が!?」


驚いて腰を浮かし、兄とは知り合いなんですか!?と問うと、桜庭さんは視線を私に向け直して、そう…と呟いてから関係性を打ち明けた。


「言い遅れたけど、俺は亡くなった緒方賢也の大学時代からの親友なんだ」


「親友!?」


うっそー…と驚く私なんてお構いなしで、改めて初めまして…と頭を下げ直す彼に向かい、呆然としたままお辞儀を返した。



「とにかくちゃんと座れば?」


ぼうっとしたまま中腰でいる私に座り直すよう促した彼は、さっきのセリフに繋がる経緯を話し始めた。

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「……あれは確か四月頃だったかな。職場で異動があった賢也が、話があると言って呼び出してきたんだ」