君と永遠に続く恋をしよう

カチンとくる様なセリフを言い返され、ちらっとロビーの端に目を向ける。


「彼処でちょっと話せる?」


人差し指が指す方向を確認して、脇に立つ角川さんを振り返った。


「こっちはいいわよ」


来客も来ないし…と言う彼女に、すみません…と頭を下げ、受付カウンターを離れる。

イケメンな彼と二人で来客者が使用するソファーセットへと赴き、斜向かいに座り合って息を吐いた。



「……これ、俺の名刺」


座ると直ぐにスーツの内ポケットに手を入れた彼は、シルバーケースから一枚を抜き取り、ローテーブルの上を滑らせる様にして置いた。


「(株)一ノ瀬デザイン 一級建築士 桜庭広大(さくらば こうだい)」


名刺を読み上げて直ぐに、あれ…と思った。


「あの、ひょっとして、一ノ瀬デザインて…」


うちの社長の関係先ですか?と問うと、彼の唇の端が持ち上がる。


「そうだよ。俺が勤めているオフィスは、此処の社長の父親が経営者なんだ。
俺はそこで戸建てのデザインしている。
現在は社長の自宅を設計中で、今日はその青写真が出来上がったから持ってきたんだ」