「少々事情があり、今日から同じクラスメイトの綾瀬未来(みく)さんだ。みんな、仲良くしてやれよ」


教室に着き、まるで転校生でも紹介するようなノリで、生徒たちに紹介される。

あたしは、軽く頭を下げる。


「綾瀬の席は、そこだ」


担任に指示された席へと向かい、腰を下ろす。

また、学校生活を送る羽目になるとは・・・

心の中で、盛大なため息を零した。

別に、学校が嫌いなわけではない。

中学時代は友達も居たし、それ相応に充実した時間を送っていたと思う。

ただ今は、どうして学校生活なんて送らなければイケないのかわからない。

「規則」と言う名で生徒たちを縛り付ける、学校と言う名の「箱」が煩わしい。