冬に咲く、桜

「それを病気のせいにするのは、卑怯だろ。なんでも、経験だ」

「告白なんてして、振られたらもっと惨めになる。だからと言って、仮に付き合えたとしても、あたしには未来なんてない。どっちにしろ、あたしには何の得もない」

「ガキの癖に、損得なんか考えて人を好きになるな」


キツイ口調で、バッサリと言われる。


「病気だろうが何だろうが、今のお前は生きてる。この先、助かる可能性だって0じゃない。今のお前はだだ、他の人より諦めることが多いだけだ。だからって、全部を病気のせいにするな。今も好きなら、真っ直ぐにそいつにぶつかれ」

「病気だって、知ったら・・・」

「教えたくないなら、教えなければ良い。病気だろうが、病気じゃなかろうが、結ばれる奴は結ばれるように出来てんだよ」


自分勝手過ぎる言い分だが、先生の言葉の全てが間違えではない気がした。