冬に咲く、桜

だけど病魔は日に日に、あたしの体を蝕んでいった。

だから、嫌でも実感させられた。

あたしは病気だから、普通の子には戻れない。

ただ、死に向かって生かされている。と・・・


「病気のせいで、何もかも諦めなきゃイケない。それって、生きてるって言える?」

「お前が病気と向き合い、どんなに懸命に戦ってきたか、医師として俺が1番理解してる」

「病気になってから、あたしの世界は一気に狭くなった」


色んな事を諦めながら生きる日々に、何の意味があるのだろう。


「また学校に通い始めて、同じくらいの子たちを見るようになって思うの。あたし、なんで生きてるんだろうって」


楽しそうに笑って、当たり前のように生かされている子たちを見てると、自分だけ取り残されてる気がして来て、惨めになる。